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3-2

「全く、あの2人は相変わらずじゃな」

アマネのすぐ後ろから男性の声が聞こえてきた。
その直ぐ後に、「全くよく飽きないよね」と先に聞こえてきた声よりも年若い少年の声が耳に届く。

「だな」

そしてまた別の声。
声のした方へ振り向いたアマネは、そこに3人の男達が立っているのを見た。彼らは皆手や肩に鍬や籠等の農工具を担ぎ、ヤマユラ特有の動きやすい服装をしていた。

「あ、皆さんお疲れ様です」

傍らでエルルゥの弾んだ声が聞こえてくる。

「アマネさん、こちらウーさんとヤーさんとターさんです」

「畑作りを手伝ってくれているんです」、と続けられた言葉に彼らはにっこりと笑みを浮かべながら「そうそう」と頷いた。

「手伝い、といってもハクオロさんから教わった事をやってるだけなんですけれどね」

そう答えたのは3人の中でも最年少のターだ。

「アンチャン、何でも知ってる・・・。モロロ豊作、アンチャンのおかげ」

何処かたどたどしい口調ながらも、嬉しげに言葉をつむぐのはウー。

「まぁ、年寄りを働かせすぎるのはどうかとも思うがの」

そう豪快に笑いながら言ったのは、3人の中でも最年長のヤー。
それぞれ本当の名前があり、今エルルゥが呼んだ名は愛称なのだそうだが、3人ともそちらで呼んでもらった方が嬉しいと言うので、アマネもそれに従う事にする。

「皆さん、お疲れ様です。お腹すいたでしょう。お昼持ってきましたから皆で食べましょう」

そう言ってエルルゥが手に持った包みを差し出すと、彼らは歓声上げながらそれを受け取った。

「ほら、テオロさんもソポク姉さんも。何時までもやってないで、ソポク姉さんそっちの包みも出して頂戴」

エルルゥが未だに言い合っている2人にそう伝えれば、ソポクは「そうだったね、と少しだけ恥ずかしそうに笑みを浮かべながら手に持った包みを解いていく。
中からは、ゆでたモロロが幾つも出てくる。ヤマユラの里では最も一般的に食べられているものだ。

モロロは生命力が強く、多少荒れた土地であっても育ち、かなりの収穫もできる。
だがその皮には毒があり、また味も淡白でそう目立った特色もない事から都やもっと開けた土地では食用としてよりも、鑑賞用として用いられる事が多かった。
けれど深い山に囲まれたこの村では、モロロの実だけでなくその葉もお浸しや炒め物にして食べる。
それほど豊かだ、とは思っていなかったが考えていたよりも厳しい状況なのかもしれない、とアマネは
手にしたモロロを見ながら思った。

あとがき
モロロってジャガイモですよね…。多分。
ヤマユラに居た頃はモロロを食べるシーンがたくさん有ったのに対して、トゥスクルになってからは余りそれが無かった気がします。多分、モロロって余り上品な食べ物として認識されていないんじゃないかなぁ…と思ったらこんな風になってました。
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