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2.夜半事変

「おばあちゃんっ!」

まだ朝も明けきらぬ中、少女の甲高い声が響いた。
息を弾ませながら、走り寄ってくる少女はハクオロと共にあるトゥスクルの姿を見て安堵の息をもらす。

「良かった・・・、もうどうして黙って行っちゃったの? 心配したんだから・・・・」

そう募ってくる少女にトゥスクルは「すまないね・・・」、となだめる様な声を出した。

「具合の悪い子がいてね、どうしても急いで出かけなければならなかったんだよ」
「そうだったの・・・・、でも、もう黙っては行かないで。心配したんだから・・・」

少女の心配と不安な感情の交じった声にトゥスクルも「ああ、次は必ずそうするからね」と穏やかに言った。その時、家の中から「おばあちゃん・・・?」、と幼い声が聞こえてきた。見れば、まだ10、11歳くらいの少女が目を擦りながらこちらに近づいてくる。

「おお、アルルゥまで。すまんのう、起こしてしまったかい?」
「ん~~、一緒に寝る・・・」

腕に抱いた枕を「ん」、と祖母の前に出せば「そうかい、そうかい」とトゥスクルは優しい笑みを浮かべながら彼女の頭を撫でた。「んふ~♪」、と嬉しげに目を細める少女に「先に行っておいで」と声をかけると、トゥスクルはもう一人の少女-エルルゥ-の方を振り向き、「お客さんが一緒なんだよ」、と声をかけた。

「あ・・・・」、とエルルゥが少し驚いた様な声を出す。
どうやら自分の感情で一杯でアマネの事にまで気が回らなかった様だ。慌てて「済みません」、と頭を下げる少女にアマネも「よろしくお願いします」と頭を下げる。

「わしの古い知り合いに連なる方でね、わざわざ訪ねてくれたんじゃ」
「おばあちゃんの・・・・?」
「ああ。すまないが、エルルゥわしはこれからアマネと話があってね・・・・。アルルゥの事を頼めるかい?」
「あ、はい」

エルルゥが頷くのを確認すると、トゥスクルはアマネへ「こっちじゃよ」、と言って家の中へ入っていく。
アマネが良いのだろうか、とエルルゥへ視線を向ければ「どうぞ、狭いところですが」、と柔らかい笑みが返ってきた。

「・・・・・・ミコト?」
「え?」

その笑みに、嘗て彼と共にあった少女の顔が重なり合う。知らず漏れた呟き声にエルルゥが怪訝そうな声を出したが、「なんでもありません・・・・」とアマネは曖昧な返事を返しトゥスクルの後を追って歩き出した。

【あとがき】
一話一話の長さがまちまちですね・・・。書きたい処は長くなるのに、早く済む処はものすごく短い。
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